18年流失、先月発見 記念碑2基の状態確認

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富士見町の乙事区文化財保護委員会は11日、編笠山登山道沿いの景勝地「盃流し」付近を訪れ、2018年秋の土石流災害で同所から流失し、下流側でこのほど発見された元首相の犬養毅、元鉄道相の小川平吉=同町出身=の記念碑2基の状態を確かめた。今後の保存の方向性について三つの案を取りまとめ、関係機関と協議していくことを確認した。

犬養、小川は1925(大正14)年8月30日、乙事山岳会の案内で盃流しへ登り、碑を作りたいという山岳会の希望に応え、「曲水」「神仙秘境」と大筆で書いた。2基は盃流し右岸にあったが、土石流災害で行方不明に。下流側で始まった国発注の治山工事現場で8月に見つかり、3年ぶりに無事が確認された。

現地調査には同委(五味克弘委員長)の7人と、三井芳章区長、町議会の名取久仁春議長=乙事=が参加した。2基を発見し、作業道まで運び出してくれた工事関係者に改めて感謝。今後の保存については、▽盃流し右岸の元の場所へ戻す▽人目に触れる近くの林道脇に再設置する▽いまある場所の近くで保存する-の3案をまとめた。

犬養の「曲水」の碑は5~6トン、小川の「神仙秘境」もそれに近い重量があると推定されている。三井区長は「簡単ではない内容ばかりではあるが、町を通して南信森林管理署に打診していきたい」としている。

区の史料から、乙事山岳会が記念碑の制作に動き出したのは1928(昭和3)年と判明。碑の完成は、五・一五事件前年の31(同6)年と分かった。一行はこの日、盃流しも訪れ、一帯を覆っていた土砂が少なくなってきたことを確認した。

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