小渋ダムバイパストンネル 台風で試験運転

LINEで送る
Pocket

吐口から土砂が混じった水を出す小渋ダム土砂バイパストンネル=松川町生田

吐口から土砂が混じった水を出す小渋ダム土砂バイパストンネル=松川町生田

台風16号による出水に伴い、国土交通省天竜川ダム統合管理事務所(中川村)は20日から21日に掛けて、今秋完成した小渋ダム土砂バイパストンネルの試験運転を行った。実質の供用開始で完成後初の通水。20日午後7時に放水を始め、毎秒5トンから最大で約60トンの水をダム湖を迂回(うかい)して小渋川下流へ流した。

同事務所によると、試験運転は20日の夕方、ダム上流からの流水量が「台風期制限水位の標高604・8メートルに達する恐れがある」として決定。管理棟から遠隔操作でバイパス取水口に当たる下伊那郡大鹿村の呑口(のみぐち)ゲートを開いた。呑口付近には大型のごみを避ける「流木はね」があるため、トンネル内には土砂を含む水だけが流入。約4キロメートル先の吐口(はきぐち)(松川町)から流れ出た。水位調整に使うダムサイトのゲートは開けなかった。

21日には放水によるトンネル底面の傷みや、下流域の環境影響を把握するモニタリングも実施。今後、データを解析する。同事務所管理課の竹内寛幸課長は「水は事前の模型実験とほぼ同様の流れ方をした。土砂がダム湖内に入ることなく、かなりの効果があった」と説明した。今後も出水時には放水を行う。

バイパストンネルは、洪水時などに小渋川から流入する土砂を含んだ水をダム貯水域を通さずに下流へ送り、湖底に堆積する土砂を減らしてダムを長寿命化させる目的。最大で毎秒370トンが放水でき、総事業費143億8000円を投じて完成した。

おすすめ情報

PAGE TOP