2021年10月1日付

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「お客様のクレジットカードが不正利用されている疑いがあります」。つい3日前、電話の向こうから聞こえた声が平穏な時間を暗転させた。何の前兆も、思い当たる節もなく降りかかった迷惑事案。身の毛がよだつ体験だった▼声の主は詐欺犯ではなく、カード会社のオペレーター。筆者名義のカードで高額な家電製品などの注文があったが、何年も利用実績がない上に購入時間が深夜だったため、不審に感じ決済を保留にしたという。ああ、助かった▼商品を頼んでいない事実、被害を未然に防いだ機転に対する感謝を伝え、使わないカードだからと解約を申し出た。パソコン操作で何万通りもの数字を無作為に並べ、他人のカード番号と暗証番号に当てはめる犯罪が横行しているという。目的は商品転売だ。「お客様の番号が運悪く乗っ取られた形です」と同情された▼日本クレジット協会によると、国内のカード不正利用被害額は年間250億円にも上る。許しがたい犯罪である。カードが手元にあっても、番号が流出し被害に遭う事例も多いだろう。利用明細を見て異常事態に気付いても、時すでに遅しということだ▼インターネット全盛のいま、誰もが犯罪に巻き込まれる危険を抱えている。買い物での個人情報入力に細心の注意を払い、いざという時は迷わず専門家に相談を。犯罪は見えないところに潜んでいる。便利さと危うさは、表裏一体だ。

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