クロモジにインフル予防効果 新産業へ期待

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「食品と健康」をテーマに意見を交わすパネリストたち

産官学の連携と情報共有で農による地域活性化を目指す伊那谷アグリイノベーション推進機構は23日、第18回シンポジウム「食品と健康について」を伊那市西春近のかんてんぱぱ西ホールで開いた。信州大学農学部にある知見を地域に広く伝える機会でもあり、基調講演では河原岳志准教授=機能性畜産物製造学=が国産ハーブ「クロモジ」の機能性について発表。養命酒製造との共同研究で、クロモジエキスにインフルエンザの感染予防効果があることが明らかになったと説明した。

河原准教授はクロモジエキスで抑制効果が確認されたウイルスとしてインフルエンザウイルスのほか、アデノウイルス、ノロウイルス代替のネコカリシウイルスなどを挙げ、従来型のコロナウイルスにも効果があるとした。期待される新型コロナへの効果については「新型コロナのことは新型コロナを使って(調べる)というのが筋」とした上で、「いろいろなウイルスに効くということは、予防的に使うことで食品をアピールできる」と説明し、新産業に結びつく資源としての可能性に期待した。

共同研究する養命酒製造商品開発センターの芦部文一朗さんは、クロモジエキスのインフルエンザウイルスに対する作用についてクロモジエキスを含むあめを3カ月間なめてもらう実験を行った結果などを示し、「クロモジの特徴を解析した結果、細胞保護にクロモジエキスが作用することが分かってきた。その特異的な性質と、食品として活用できる点を利用し、予防的にクロモジエキスを活用していただければと思う」と述べた。

シンポジウムには会員企業や学生、自治体関係者ら約80人が参加し、講演や討論を聞いて地域の農林畜産業や食品産業、観光業での健康・長寿県の強みを生かした産業創出や6次産業化の可能性を探った。

信大農学部の田中沙智准教授=食品免疫機能学=は「凍り豆腐由来レジスタントプロテインの免疫機能に及ぼす効果」をテーマに講演し、旭松食品との共同研究の成果を披露。企業講演もあり、伊那食品工業の井上修会長は「地域と共に生きる寒天産業について」の演題で話した。

パネルディスカッションでは、松島憲一信大農学部准教授=植物遺伝育種学=を座長に、河原准教授、田中准教授、養命酒製造の芦部さん、旭松食品の石黒貴寛さんが意見交換した。

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