名工・守屋貞治の作か 塩尻市楢川で石仏発見

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高遠石工研究センターの調査で貞治仏の可能性が高いとされた「佉羅陀山地蔵大菩薩」

高遠石工の中でも特に優れた石仏を彫像した名工守屋貞治の細工帳に記載がありながら、行方が分からなかった「佉羅陀山地蔵大菩薩」とみられる石仏が塩尻市楢川で見つかり、一般社団法人高遠石工研究センター(伊那市)は12日、現地調査を行った。石仏は青石で造られていて、細工も美しく、同センターは像容などから貞治仏の可能性が高いとして、裏付けの調査を始めた。

「それらしい石仏がある」との情報を得た熊谷友幸事務局長が下見をして、存在を確認。同日、会員11人で改めて調査に入った。石仏はかつて集落を形成していた地域の観音堂の堂内に安置されていた。仏像本体の高さは56センチで、基壇を含めた高さは100センチ。銘はなかった。

「造りとすれば貞治か藤兵衛(渋谷藤兵衛)のものだ。写真を照らし合わせてしっかり比べてみたい」と田中清文代表理事。仏像と基壇部のつなぎの形状や基壇に文字が記されていない点など、一部に貞治仏としてはあまり見られない部分もあり、さらに検証が必要、とした。

堂内に安置された仏像は、帽子をかぶり、幾重にも衣が着せられていた。熊谷事務局長は「おそらく文政年代のもので、貞治のものであれば晩年の作。多くの人たちに触れられて黒光りしている宝珠を見ると、地元で大切にされていたことがよく分かる」と話した。

貞治が残した細工帳(石仏菩薩細工)には、貞治が生涯に彫像した石仏の詳細が記されている。該当する「佉羅陀山地蔵大菩薩」は願主に「万屋」、建立場所に「木曽奈良井」とあり、熊谷事務局長は「建立されていた本来のお寺の末寺の関係にあったのか、村出身の住職が持ち帰ったのか、200年以上も前のことなので分からないが、歴史はロマン。地元の方や事情を知っている人を探して聞き取りをしたい」と話していた。

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