御神渡り観察2週間 総代・伊藤さん振り返る

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気温、水温の観測記録と毎朝の諏訪湖の様子を記す伊藤さん(左)

諏訪湖の御神渡り(御渡り)の判定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)の今季の観察は開始から19日で2週間となる。今後数日は寒気が居座る予想で、4季ぶりの御神渡り出現に向け、期待は高まる。同市渋崎の総代が代々担う観察総代の一人、伊藤勝規さん(61)は約30年前に観察総代を務めた父親を思いながら湖上に立つ。「結氷した諏訪湖の氷が一夜でなくなり、一夜で再結氷。自然の力は本当にすごい」と驚きを持って振り返る。

伊藤さんの父親は1991年に御神渡りの拝観式に臨んだ。伊藤さんは紋付き袴姿で氷上に立ち、神事に加わる父の写真を見るとき「あの時の親父は今の自分と同じような気持ちで毎朝、諏訪湖に通っていたのかな」と思いを馳せる。漁師でもあった父は1年を通じて諏訪湖と向き合っていた。「諏訪湖がこれほど気になる存在になるとはね。観察総代のお役目をいただいたおかげで親父の気持ちに少し近づけた気がするよ」と笑う。

諏訪湖は15日に今季3度目の全面結氷となり、18日朝まで結氷状態が続いた。同日昼は風の影響を受けて一部が解氷した。自然は人間の思い通りにはいかないことを実感する伊藤さん。「地球温暖化の影響もあるんでしょうね。御神渡りが昔に比べ、出現しづらくなっているのは頭では分かっている。それでもやっぱり御神渡りの出現を望んでしまうんだ」と氷上に目を向けた。漁師として自然の変化をいつも肌で感じていたであろう父を思い浮かべながら、自らも拝観式に臨む夢を厳冬の諏訪湖に託している。

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