燃料油の高騰抑制策 地方効果「分からない」

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13年ぶりの高値が続くガソリン、灯油など燃料油に対する政府の高騰抑制策を受けて26日、大手元売り会社からは「補助全額を卸価格に反映する」と公表する動きも出てきた。諏訪地方の小売り各社はいずれも従来通り、元売りからの仕入れ値に連動した価格設定で販売する構えだ。しかし、同制度の価格反映にはしばし時間がかかる上、原油価格は値上がりの一途。全国と県内の平均価格も7円以上(24日現在)の差がある中で、「地方の消費者が実感できる効果が出るか分からない」との声が小売会社、消費者の双方から上がっている。

日本エネルギー経済研究所石油情報センターによると、原油価格は世界的な需要回復への期待と、ウクライナ、中東の情勢緊迫から値上がりが続く。国の補助はその上昇分に充てられる。ただ「店頭価格が補助額分値下がりすると誤解する消費者も少なくないのでは」(西日本宇佐美中部支店)と心配する声もある。

エネオスウイング信越支店は「補助を受けるのは元売り。小売店が補助額分を即、価格に反映できるわけではない。県内は輸送コストも高く、地域によって価格差もある。消費者には理解されにくく、混乱を招きかねない」と危ぐ。あぐりライフ信州諏訪では「補助は仕入れ値上昇分の補てんなので、小売価格は値下げに動けないかもしれない」と予測する。

近年、ガソリンの需要はハイブリッド車の普及や新型コロナウイルス感染拡大に伴う人流抑制の影響で減少。価格高騰が追い打ちをかけ、スタンド経営は一層厳しく、閉業も相次いでいる。

豊島屋(岡谷市)では「販売量はコロナ禍前より2、3割減。いまだ回復の実感はない」と話す。消費者の負担低減を目的とする同制度だが、13年ぶりの高値水準には変わりなく、各社から「需要の回復にはつながらない」との声も漏れる。

こうした状況下で、ガソリンスタンド利用者からも心配の声が聞かれる。団体職員の武上正信さん(74)=諏訪市=は「高値続きは懐にとても痛いが、消費者の期待感にあおられて価格競争が過剰に激化すれば、地元店舗がますます苦しくなってしまう」と案じる。自営業の西野文二さん(45)=同市=は「地方の住民にとってガソリンは生活必需品。補助は焼け石に水。消費者の負担軽減にはまず、(揮発油税などを減税する)トリガー条項の凍結解除を発動すべきだ」と語気を強めた。

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