国重文「羅漢像」 修復作業終わり里帰り

LINEで送る
Pocket

羅睺羅尊者像(左)と半陀迦尊者像(右)

諏訪市小和田の教念寺は28日、修復作業を終えた国重要文化財「絹本著色羅漢像」を同寺で特別公開した。2020年6月以来の”里帰り”で、檀徒総代ら約40人が集まり、構造が補強され、細かな表現が見えるようになった羅漢像を確かめ、大切に保存・継承する決意を新たにした。修復を担当した岡墨光堂(京都市)によると、適切に管理すれば、次の修復は「100年から150年後」になるという。

市教育委員会発行の「改訂諏訪市の文化財」などによると、羅漢像は釈迦の優秀な弟子・羅漢の「羅睺羅尊者」と、「半託迦尊者」を描いた双幅。いずれも縦136センチ、横53センチ。鎌倉時代かそれ以前の作とされ、寺の由緒書には1801(享和元)年に伊勢山田・宝積院の義音上人から教念寺17世卓門上人に贈られたとある。作者は分からない。

修復は1936(昭和11)年以来84年ぶり。横方向に蛇腹状に発生した折れや亀裂、染み汚れ、色彩の剥離や粉状化が進んでいたため、2020年6月に同寺から搬出し、岡墨光堂で修復作業を行っていた。国や県、市の補助金を活用し、約1750万円を費やして事業を進めた。

修復した羅漢像を見入る歴代総代役員ら

28日は同寺本堂で納品引取式があり、前年度と今年度、次年度の檀徒総代や市教委の文化財担当者らが出席。特別公開された羅漢像を見学し、「きれいになった」などと修復の成果を語り合っていた。
 
岡墨光堂の岡岩太郎社長によると、4層全ての裏打紙を取り除く完全解体修理を行い、絵画裏側の裏打紙はほぐしながらピンセットで除去した。裏打紙を黒色から茶色に変更したたことで、「画面全体が明るく、細かな表現が見えるようになった」。一方、新しい裏打紙は湿気を吸収しやすいため「1年間の公開展示は避けて」とし、保存や展示の環境に注意を促した。

小口住職代務者は「文化財の保存修理は今を生きるわれわれの使命。関係者の皆さんに感謝したい」とあいさつ。宮坂勝太檀徒総代主務者は「教念寺の宝として大切に保存しながら、檀家の皆さんにご覧いただく機会を設けていきたい」と話していた。

おすすめ情報

PAGE TOP