松くい虫被害に“厳戒態勢” 地事所が初研修

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中村さんから松くい虫被害の診断方法を学ぶ諏訪地方の森林・林業関係者=県諏訪合同庁舎

中村さんから松くい虫被害の診断方法を学ぶ諏訪地方の森林・林業関係者=県諏訪合同庁舎

県内各地で松くい虫被害が深刻化する中、県諏訪地方事務所などは13日、初の予防対策研修会を県諏訪合同庁舎で開いた。諏訪地域は県内10広域で唯一被害が確認されていない「空白域」だが、隣接地域で拡大しており「いつ侵入してきてもおかしくない状況だ」と林務課。講師を務めた研究者は「入ってきてからでは遅い」とし、的確な予測や監視、初動対応ができるよう準備を整えておく必要性を強調した。

マツノザイセンチュウを病原体とするマツ類(アカマツなど)の伝染病で、媒介昆虫マツノマダラカミキリが健全な木に運ぶことで被害が拡大する。

森林総合研究所東北支所(岩手県盛岡市)の中村克典生物被害研究グループ長は、被害木について「まずヤニが止まり、そして木部の水が止まる。針葉が赤く変色する前に異常が起きる」と説明。監視を強化したり、調査・防除の知識や技術を持つ人材を育てたりと、早期発見と早期対応に向けた態勢の整備を求めた。

監視は、航空写真や小型無人機「ドローン」などによる空中探査と、地上探査を併用することを推奨した。カミキリがいる枯れ木を処分する伐倒駆除、あらかじめ薬剤を注射しておく樹幹注入に、予防散布を加えた三つが「防除手法の柱」と指摘。「諏訪を守るには、周囲で(被害を)とどめる考え方も大事。周辺地域の防除に協力することも検討してほしい」と述べた。

諏訪地方6市町村の森林・林業関係者や行政職員ら約60人が参加。合同庁舎敷地内のクロマツを使い、「ヤニ打ち調査」と呼ばれる診断手法を学んだ。管内にはマツタケの産地があり、東北地方でのマツタケ生産への影響を尋ねる参加者もいた。

県によると、昨年度の松くい虫被害量は約7万7000立方メートル。諏訪に接する塩尻市で新たに被害が確認され、被害市町村は箕輪、長和、立科の3町を含め51となった。山梨県北杜市小淵沢町でも確認されている。

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