下社山出し終え安堵 「里曳きこそは」願う声

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高々とつり上げられる秋宮一。下社山出し最後の御柱が、2基のクレーンによって曳き着け地点の注連掛へと移される

8、9の両日に行われた諏訪大社御柱祭下社山出し。初めてトレーラーでの運搬となったが、8本の御柱が棚木場から注連掛まで無事曳き着けられた。氏子たち自ら御柱を曳けなかった物足りなさを感じつつ、無事に山出しを終えたことに安堵した。9日は休日ということもあり、法被を着た地元住民らが沿道で出迎え。御柱祭の熱気も高まり、5月の里曳きではいつものにぎやかな曳行を願う声が多く聞かれた。

コロナ下で行う御柱祭。いつもと違う形となるが、氏子たちは御柱祭の伝統を守ろうと山出しに臨んだ。秋宮一の有賀守曳行長(67)は「今回は”神様”の柱を曳くということを意識した」とし、「御柱祭を次につなげることができた」と話した。

下諏訪町御柱祭実行委員会会長を務める宮坂徹町長は「さまざまな制限のある中で、皆さん最後まで整然とされていた」と、コロナ下のルールに従って曳行を終えた氏子たちの協力に感謝した。

しかし、御柱を曳くことができないことにさみしさを感じる人も多くいた。春宮一の木やりを担当した旧岡谷市木遣団の濵俊貴団長(41)は「木やりの声で氏子が団結し、柱を動かすのが御柱の醍醐味。物足りなさを感じた」と話した。

多くの人が待ち望んでいた御柱祭。地元萩倉地区では、住民らが沿道で出迎えたり、太鼓の演奏や花笠踊りを披露したりして盛り上げた。秋宮三の金高健司曳行長(60)は「萩倉でのお出迎えがうれしかった。祭りの雰囲気を感じることができた」と納得の様子だった。

無事に山出しを終え、氏子たちの里曳きへの機運もより高まり、多くの氏子たちの口からは「里曳きこそは」との声が聞かれた。東山田長持保存会の滝脇正志会長(63)は「里曳きの際に国道で担ぐのは気持ちいいもの。ぜひ形にしたい」と期待。春宮二建御柱係の早出一真係長(50)は「乗り手が祭りを盛り上げられるような建て御柱にしたい」と里曳きに向けて気持ちを新たにした。

岡谷市、下諏訪町、諏訪市上諏訪の大総代でつくる御柱祭下社三地区連絡会議の小林正夫会長(72)は「山出しの我慢を里曳きにぶつけたいという思いをひしひしと感じた。何とかやり遂げたい」と力を込めた。

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