2022年5月6日付

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家と職場を往復する生活をしていると、次第に自然の中で体を動かしたくなる欲求に駆られる。人は自然の一部。知らず知らずのうちに自然に身を置いて、目には見えない心身のバランスをとろうとしているのかも知れない▼昆虫の観察を好む解剖学者の養老孟司さんは、教え子に「あの田んぼはお前だろう」と言うと「ぽかん」とされると著書に書く。人は米や魚を食べて体の一部にする。だから米を育てる土や日光、魚を育む海自体も含めて「私たち自身」と。でも世間は「あんたはあんた、田んぼは田んぼ、海は海としか教えない」とし、自然との共生の再考を促す▼今、新型コロナウイルス感染症を避けられる活動としてキャンプがブームだ。自然に親しむ機会がなかった人が、キャンプをすれば新たな感覚に包まれる。自然と人の関係を考え、環境に目が向くきっかけになればと期待する▼自然は美しいや気持ちいいばかりではなく厳しさがある。個人的には野宿をすると、普段の生活で身に積もってしまう虚勢やおごった気持ちをそいでくれ、等身大の自分に戻してくれるような感覚になる。土砂降りの雨の日にテントで過ごすとよく分かる▼気分転換は、非日常がキーワード。気持ちが落ち込んでいた友人は山を歩くようになってから元気が出た。どこにも行けなければ読書がお勧め。本を開けば、著者の脳内という非日常の空間が待っている。

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