2024年4月19日付

2024/04/19 06:00
八面観

一昨年の夏、南アルプスの仙丈ケ岳に登山をした際、次は「東駒ケ岳だ」と狙いを定め、間もなく2年。行く機会を逃してまだ登れていない。今週、桜を撮影しに各地を回ると富士見町内から東駒の美しい三角錐の頂が顔を出し「おいでおいで」と呼んでいるかのようだった▼伊那谷では西側にある中央アルプス木曽駒ケ岳を「西駒ケ岳」、東側にある甲斐駒ケ岳を「東駒ケ岳」と呼ぶ。以前、南アの山小屋でご一緒した、登山家でもある白鳥孝伊那市長の前で不意に「甲斐駒」と言ったら、間髪を入れずに「東駒」と畳み掛けられ、ほほ笑まれた。白鳥さんの地元愛を感じた瞬間だった▼伊那市によると、東駒に伊那側から登頂した最古の記録は1824(文政7)年、諏訪地域の修験者だった。今年は開山200周年。市の記念事業では山頂にある「甲斐駒ケ岳」の標識変更に合わせ「東駒ケ岳」の表記を追加するという▼南ア北部の登山は従来、長野山梨両県からアクセスできた。だが主となる山梨側の南アルプス林道は2019年の台風で土砂が崩落し、不通になっている。今は長野側からの入山者が多い▼今月、南ア北部登山の拠点になる北沢峠へ向かう伊那市営南アルプス林道バスの営業所が宿泊施設「仙流荘」と一体化し、利便性が高まった。白鳥さんのことだから記念事業の進捗状況を確認したいはず。もしよければご一緒しませんか。東駒。

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