伊那北高校(伊那市)は18日、南極から運ばれてきた氷の解体ショーを同校で開いた。同校卒業生で海上自衛隊の南極観測船「しらせ」航海長を務める小坂樹範さんの協力で実現。氷には大昔の空気が閉じ込められているといい、生徒たちは興味深げに観察して未知の世界に思いをはせた。
解体ショーは生徒のために協力したいという小坂さんの提案がきっかけとなって昨年から始まった。同校は取り組みを通して生徒が多分野に関心を広げることにつなげたい考えだ。
氷の大きさは縦横が約20センチ×約30センチ、高さは約20センチ。表面はつるつるしていて、机の上に固定して教員が電動のこぎりなどを使って切断した。生徒は一部の作業に参加したほか、スマートフォンで様子を撮影するなど熱心な姿が見られた。
1年生の生徒(15)は「一生のうちで触れられるかどうか分からないものなので新鮮。ずっと昔の空気が残っていることは驚きであり、新しい体験だった」と話した。
担当した同校理科教諭の安達隆太さん(41)は「とても関心を持ってくれた。この経験が何かのきっかけになって、生徒の取り組みがいろいろな方向に発展してほしい」と期待していた。
解体した氷は2年生の授業に活用する予定。また2年生を対象に小坂さんを招いた講演会を5月に開くという。
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