高遠の町屋「中村家住宅」 寄付受け入れ

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伊那市に寄付される「中村家住宅」=高遠町西高遠

伊那市に寄付される「中村家住宅」=高遠町西高遠

伊那市教育委員会は8日の市議会全員協議会で、同市高遠町西高遠にある江戸時代の町屋「中村家住宅」の寄付の申し出を受け入れる方針を明らかにした。町屋は大火などで焼失することが多く、18世紀前期までさかのぼるものは極めて貴重という。また、初代高遠町長を輩出し、高遠町ゆかりの書家・画家の中村不折とも縁がある家で、伊那市との関わりも考慮した。

建物は国道361号近くの鉾持神社の西側にあたり、木造平屋建て住宅と2階建て土蔵で、延べ床面積は約258平方メートル。江戸時代前期から中期の特徴を示す町屋形式(棟割り長屋)の建造物という。建物、土地のほか、明治初期からの法律書や洋書など約2500冊、漆器や陶器などの調度品、江戸時代の古文書、美術工芸品など約2000点も合わせて寄付される。

市生涯学習課によると、6~7年前から空き家になっており、現在は埼玉県所沢市に住む所有者の男性から2014年9月に寄付の申し出があった。これを受けて市教委は専門家に調査を依頼。少なくとも300年近く前の1720年代には所在していたと推定され、極めて重要な建物との報告を受けたという。

代々名主を務めた家で、5代目の中村郡治は初代高遠町長を務めた。中村不折とは親せきの間柄になる。庁内検討の結果、「建造物として文化財的な価値がある。また、歴史的景観や豊富な資料、調度品類、伊那市との関わりなどの点から寄付を受け入れることにした」と説明した。

今後は所有権移転などの手続きを進めるとともに、高遠町地域の活性化に役立つよう検討する。周辺には寺院などもあり、まち歩きや観光に生かしていきたい考えだ。

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