2016年12月27日付

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地震災害など国内外でさまざまな出来事があった今年もあと5日。ゆっくり季節を感じることも少なく、慌ただしい日々に追われた気がする。スピード感や結果が優先される現代。古代に生きた人と比べて1年が過ぎる早さの感覚はどのくらい違うのだろうか▼季節の区切りを表す言葉に春夏秋冬や二十四節気のほか、1年をほぼ5日ごとに分けた「七十二候」がある。旧暦の七十二候は立春の「東風凍を解く」(とうふうこおりをとく)から始まる。季節の移ろいを見つめ、暮らしに根差した短文が並ぶ▼蚕が桑の葉を多く食べる頃(5月下旬)、鷹のひなが飛び方を覚える頃(7月中旬)など動物の変化を表すものが結構多い。古代中国から伝わり、江戸時代の暦学者渋川春海が日本の気候に合うように修正した▼12月末のこの時期は「麋角解つる」(さわしかのつのおつる)。トナカイの一種である大鹿の角が抜け落ちる時期なのだという。年の暮れと鹿の角とのマッチングは意外だった。現代に置き換えると地獄谷野猿公苑(山ノ内町)のスノーモンキーにちなみ、「猿温泉に入る」というのもありか▼季節と暮らしは密接な関係がある。諏訪地方には、諏訪湖の氷がせり上がる「御神渡り」や寒天作り、上伊那地方にはザザムシ漁など冬ならではの風物詩、営みも多い。冬の寒さは苦手だけれど、これも独特の文化かと思うと見方も少し違ってくる。

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