諏訪湖がモデル湖沼に 「沿岸透明度」設定へ

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環境省が沿岸透明度のモデル湖沼に選定した諏訪湖

水環境の実態を住民が理解しやすい指標として、湖沼や海域で「沿岸透明度」の地域目標値の導入を推奨していく環境省は、先導役となるモデル湖沼に諏訪湖を選んだ。地元の有識者を交えた検討会を発足。地域目標値の設定手法を確立し、全国の湖沼に手本として示す。諏訪湖では水の透明感の向上と、それに伴う水生植物の再生を目標に官民が一体となって水質浄化活動に取り組んでおり、モデルにふさわしいと判断した。

水の汚れを示す代表的指標としてCOD(化学的酸素要求量)などが知られるが、住民に「分かりにくい」との指摘もあり、国の中央環境審議会で新指標が検討された経緯がある。「国民が直感的に理解しやすい」として沿岸透明度の導入を答申し、環境基準ではなく、地域の合意形成により「地域目標」として設定することが適当とした。

検討会委員には宮原裕一・信大山岳科学研究所准教授、沖野外輝夫・信大名誉教授、藤森貫治・諏訪湖漁協組合長ら10人が名を連ねた。

地域目標値は▽水生植物の保全再生▽親水利用―の二つの観点で設定することを基本としている。3日に諏訪市内で開いた検討会議では「諏訪湖は遊覧船やヨット、ボートによる親水利用があり、親水利用の観点からは湖全域で透明度を管理していくことが望ましい」との意見や、沈水植物のエビモを保全対象種として目標設定していく案が出ていた。

環境省によると、来月の次回会議で諏訪湖の地域目標案を固める予定。海域のモデルに選定した福井・小浜湾の検討結果とともに来年度にガイドラインをまとめ、全国の湖沼・海域に示すという。

県は取材に対し、来年度に策定する諏訪湖の第7期水質保全計画で、沿岸透明度の地域目標設定を検討していると説明。「次回にまとめる目標案をそのまま当てはめるかは分からないが、今回の検討結果は貴重な材料になる」(水大気環境課)とした。

3地点で行う県の定期水質調査によると、諏訪湖の透明度は近年、全地点で上昇傾向にあり、沿岸部では湖底まで見える「全透」の観測回数も増えている。検討会座長を務める宮原准教授は「地域住民が諏訪湖に関心を持ち、環境保全に積極的に取り組んでいることも評価され、モデルに選ばれたと思う」と話した。

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