2017年02月26日付

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「安全に関する気づきは免責。言わない方が問題だし、言われた方は怒っちゃいけない」。全日本空輸の篠辺修社長は、上司であっても自由に物を言えるように、社員に何度も繰り返して説いているという。昨年、テレビのドキュメンタリー番組に出演していた篠辺社長の話を聞き、深く心を動かされた▼「大事なのはもう一回確認して『大丈夫だった』と、その行為である。全部正しい指摘という前提を置くと指摘しづらい」。「『言ったこと間違ってたよな』ってダメを押されたら、もう二度と言えなくなる。そこで疑問を解決するのが大事」とも語っていた▼乗客の安全確保が第一の航空業界にとって、最も重要なことは二重三重の確認作業の積み重ねだろう。「こんなことを言って人間関係が気まずくなったら困る」とか、「先輩には簡単に指摘できない」(篠辺社長)との社員の意識をいかに変革するかだという▼昨年は、軽井沢町でスキーバス事故が発生し、公共交通機関の信頼性が揺らいだ。今も、関係機関の抜き打ち検査では法令違反が見つかるケースもある。各公共交通機関も、より一層「安全第一」に徹底して取り組んでほしいと願う▼生身の人間がやることには、多かれ少なかれ人為的ミスの危険性がある。どう防ぐのか。全体の組織力でどうカバーするかだろう。利用者も「時間」よりも「安全」の重要性を胸に刻むべきかもしれない。

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