2017年03月08日付

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未曽有の被害をもたらした6年前の東日本大震災で、被災者の救助や物資輸送に威力を発揮したのがヘリコプターだ。津波による水害で孤立した住民をヘリで救出する緊迫した映像も目にした。一刻を争う救助には必要不可欠だろう▼消防防災ヘリコプターの活動の範囲は幅広い。消防白書によると、2016年11月現在で総務省消防庁や自治体で計76機を保有。15年中の全国の出動実績は6842件にも及んでいる。救急や救助、火災での出動をはじめ、情報収集や輸送などの分野でも使われる▼山岳県でもある長野県の場合、山岳地帯での救助活動も重要な任務になる。どの災害現場での救助活動にも危険は伴うだろうが、とりわけ制約の多い山岳地帯でのそれは困難を極めると聞いたことがある。だからこそ高度な技術習得に向けた訓練が必要なのだろう▼松本市、岡谷市などにまたがる鉢伏山に県消防防災ヘリ「アルプス」が墜落した事故は、消防隊員ら搭乗員9人全員が亡くなる大惨事になってしまった。各消防本部から選抜された精鋭の隊員たち。30~40代と若く、今後の救助活動を担う貴重な人材だっただろう▼事故当日は、山岳遭難を想定した訓練を行う予定だったという。いずれの隊員も人命救助のために精励恪勤し、周囲の人望も厚かったと報道されている。大黒柱を失った家族の悲しみはいかばかりだろう。早すぎる死が残念でならない。

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