今月末営業終了の精進湯 感謝の無料サービス

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閉場する精進湯で番台の係員と言葉を交わす常連客

諏訪市は25日から、今月末で営業を終了する同市諏訪1の市営温泉公衆浴場「精進湯」の入浴無料サービスを始めた。江戸時代から続くかけ流しの名湯の、長年の感謝を込めた惜別企画。初日は早朝から近隣住民らが利用して、閉場を惜しんだ。31日まで。

同浴場は、近くにある手長神社の精進潔斎の湯として名付けられ、同境内には精進湯のほこらが祭られている。市有形文化財の寛文4(1664)年の御枕屏風には同浴場が描かれ、他の文献でも名湯と紹介される。

1978年から市営となり、多くの市民や観光客に親しまれたが、利用者減少による経営難や建物の老朽化などから、市は昨年2月に廃止を発表。市街地にある名湯の長い歴史が幕を閉じる。

初日は営業開始の午前7時から入浴を日課としている市民たちが来場。湖岸通り5から自転車で来た60代の女性は「2年前から入りに来る。温泉は気持ちよくて好きなので、閉場は切ない」。建築業の男性(66)は「30年くらい通って、仕事の疲れもとれる。ちょっと広くてお湯が熱くて、自分にはちょうどいい浴場。もっと続けてほしかった」と残念がった。

男湯脱衣所のメモ帳には、閉鎖を知り東京や関西などから駆けつけた温泉ファンの「なくなるのは残念」の言葉も。番台に座って5年の男性係員(63)は「以前利用していた人たちに入浴してもらいたい」と話し、新たな利用先が決まっていない高齢の常連客を案じていた。

営業時間は午前7時~同10時と午後2時~同8時。27日休業。せっけんやタオルなどは30円から販売している。31日午後5時に閉場セレモニーでのれんを下ろす。問い合わせは精進湯(電話0266・58・1894)へ。

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