ICT活用し生活支援 伊那市が「客貨混載」バス運行へ

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伊那市は来年度、情報通信技術(ICT)を活用して山間地域と中心市街地の商店街を結び、山間部の住民が注文した商品などを路線バスに載せて運ぶ「客貨混載」の試みを計画している。利用者の減少が課題となっている地域公共交通の維持や、高齢者ら買い物弱者の支援、さらには住民らが公民館などに集まり注文することで、地域交流の促進など多面的な効果を狙う。市人口増推進室は「ICTを活用した客貨混載の取り組みは全国的にも珍しいのでは」としている。

市が「田舎暮らしモデル地域」に指定した同市富県の新山地区で、地区住民や商店街、路線バス「新山線」を運行する伊那バスの協力を得て実証実験を行いたい考えだ。

構想では、同地区の公民館などと商店街をインターネットで結び、画面を通して商店主らが食料品や日用品などの商品を紹介。住民らは必要な商品をその場で注文する。注文は午前中に行い、路線バスの午後の便に商品が載せられて地区に届く仕組み。届いた商品は地域ボランティアらの手で各家庭に配達する。

市が委嘱し新山地区、商店街を担当するそれぞれの地域おこし協力隊が調整役を担う予定。将来的には新山地区で収穫された農作物を中心市街地に運ぶなど、双方向の運搬の可能性も模索する。商品の運搬費は市が負担する。

伊那バスによると、新山線の1便当たりの乗車人数は1~2人。同室は、空いた座席のスペースに荷物を積んで走ることで運行会社は新たな収入源が確保でき路線バスの維持につながり、地域にとっても買い物弱者を支援できると期待。このほかにも注文の際には住民が集まることから、「交流促進による地域活性化やICTの利活用促進、社会参画など多面的な効果が見込める」とする。

今後、関係団体などに働き掛け体制づくりや詳細な事業内容を固め、「できるだけ早い時期」に実験を始めたい考え。当面は1日1便を予定している。市は通信機器やバスの改装費などの事業費として新年度一般会計当初予算に約100万円を計上した。県の県の「集落”再熱”実施モデル地区支援事業」の支援を受ける。

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