2016年3月25日付

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その土地の気候や地理、習俗などをひとくくりにして風土と言い表す。言葉の意味が漢字2文字で絶妙に表現されている。「風」と「土」がその土地の歴史であり、そこに住む人たちを育んで暮らしを成り立たせている▼生活の基盤が大地にしっかりと支えられている姿を考えると、「土」の文字は分かりやすい。その大地を覆う空間を指して「風」としているところが憎い。安直に空気や水を想像してしまうが、その土地ならではの空気の動きを「風」と言い当てた。暮らしぶりもどんな風が吹くかによって変わると言っていいだろう▼文字通りその土地を支配する「動」と「静」の間で生まれるものが「風土」。記紀の時代に、当時の古代の国々の姿を書きまとめた地域誌を「風土記」と呼ぶのは中国にならったというが、昔から土地と人の密接な結び付きを自然の動きの中でとらえていたことに感心する▼「風土が人を育てる」とはよく聞く言葉だ。生まれ育った土地を誇りに思う気持ちは誰も同じ。諏訪にしても伊那にしても、豊かな実りを生む大地と、きれいな空気、おいしい水、歴史や伝統のある地方だ。他に大いに自慢できる▼古里の魅力発信は地域にとって課題だが、その土地に住む人の姿から逆に風土の素晴らしさが伝えられるだろう。例えば諏訪で控える御柱祭。伝統の祭りに関わる人たちの姿こそ、諏訪地方の風土を物語るのにふさわしい。

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