まちのかたち 合併から10年・5 伊那市:人口減少

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伊那市の2016年3月の人口は6万9425人で、10年前の合併直後の06年4月の7万3824人と比べると4399人(6.33%)減った。市の試算によると人口対策をしなければ36年には6万人を割り込む。

市は合併後に空き家バンク制度や市有建物の貸し付け、新規就農支援などで転入者を増やす取り組みをしてきた。子育て世代の移住を促すため、出産祝い金や中学生までの医療費無料化、子育て支援センターの充実などをしてきた。

13年度には14年度から10年間の人口対策をまとめた移住定住促進プログラムを策定。これまでの取り組みに加え、若い世帯に廉価な住宅を提供するキットハウス事業や田舎暮らしモデル事業、市内産住宅用木材の提供などを始めた。

市の取り組みは宝島社が発行する「田舎暮らしの本」の「日本住みたい田舎ベストランキング 子育て世代にぴったりな田舎部門」で第1位(総合第7位)に選出。全国でもいち早く総合学習に取り組んだ伊那小学校や、地元住民が移住者を積極的に受け入れて行政が支援する新山での取り組みなどが評価された。

市は全国1位になったのを受けて「子育て日本一の伊那市」として全国紙に全ページ広告を掲載。都内の電車のトレインチャンネルに市のイメージ映像のCMを流し、首都圏から移住者を募る。

地域でも少子化への危機感から民間レベルで人口減のカーブを緩やかにする対策が進められている。高遠第2・3保育園は入園予定者数が定員の半数を満たさなくなると予想されたため休園が見込まれたが、地域住民の努力によって休園を免れた。

まず、高遠第2・3保育園の存続と未来を考える会が立ち上がり、会員が各家庭を訪問し、入園者を集めた。空き家の調査と家主との交渉、移住者の募集などを進めて4月から新たに移住する1組の家族が決まった。

伊藤岩雄会長は「園児数の確保は初年度は難しい感触だったが、会員と皆さんの協力ですぐに休園を免れた。行政に頼らずに地域全体で危機感を持って活動したのが結果につながったのでは。これが始まりなので一体感を持ってやっていく」と展望を話した。

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