まちのかたち 合併から10年・6 伊那市:観光

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「信州そば発祥の地」を掲げ、そばのブランド化に力を入れる伊那市。2012年から市内各団体が連携して「ぶっとおしそば三昧」と銘打ってイベントを開催し、新そばの季節である秋に「行者そば」や「高遠そば」など地域自慢のそばを週末を中心に提供する。

以前は4週連続だったが、昨年は西春近の「新そば&きのこ祭り」が加わり、10月18日から11月14日まで5週連続に拡大。イベントの定着とともに来場者は徐々に増え、昨年のそばの提供数は前年を3割近く上回る1万2766食に。初めて1万食を超えた。

高遠城址公園で高遠そばを提供した、高遠そばの会の飯島進代表は「信州そば発祥の地のイメージとともに、そばが観光アイテムとして定着してきた。小さな地域が個々に活動するよりも、伊那市全体でPRすることで宣伝効果は格段に上がった」と話す。

昨年は同イベントに先立ち、市内全域のそば店や生産者、愛好者が集まり、「『信州そば発祥の地』そば振興会」を設立。そばや接客の質の向上、高遠そばに用いられていたとみられる在来種の復興に取り組むなど、全域を挙げて「発祥の地」にふさわしいブランドイメージの確立を目指していく。

市は観光資源の特徴を際立たせて地域の魅力を底上げしようと、2014年に市観光実施計画(アクションプラン)を策定した。中央・南アルプスの「山」、高遠城址公園の桜をはじめとする「花」、そばやローメンなどの「食」の3分野に焦点を絞って積極的に情報を発信。花見とともに郷土食や地酒を楽しむなど、観光資源を組み合わせたモデルプランの構築にも取り組む。

アクションプランには観光に携わる事業者も関わり、南アの登山客を中心市街地に誘導する仕組みなど、官民一体となった取り組みが動き出した。まだ観光客や観光消費額などの数字には成果に表れていないが、関係者は「今は粘り強く続けることが大切」と力を込める。

市観光課は「市町村合併で伊那、高遠、長谷の特色ある魅力を組み合わせてPRできるようになったのは大きな強み。自治体規模の拡大で発信力が高まり、この10年で確実に伊那市のブランドイメージが上がった」と強調。「さらに観光資源を磨くとともに広域連携も図りながら、選ばれる観光地を目指したい」としている。

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