2017年11月5日付

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最終目標は美しい里山―。県環境保全協会の今年度「信州エコ大賞」で大賞を受賞した、辰野町の「農山村を災害から守る会」の山寺喜成会長は、表彰式の席上、活動成果を報告する中で、地区内で取り組む災害に強い里山づくりの目標を、こう紹介した▼活動のきっかけは、安心していた場所が崩れたこと。これまで地域に伝えられていた「安全な場所」や「危険な場所」が、本当はどうなのか。危険が迫ったとき、手元の防災マップが本当に使えるのか。足元の危険性に真剣に向き合った▼土砂災害が起きる山は弱い山だと考えて、災害に強い山づくりを目指した。単純に防災林をつくるだけでなく、「美しい里山、美しい自然環境」を掲げて、将来の山の風景を思うことで、地域活動の励みにした▼身近な危険を知ることは、住民の防災対策の意識を高めた。土砂崩れのような災害に対しては、崩れる危険箇所を避けて避難しなくてはいけない。安全な避難路は、それぞれの家庭によって違ってくる。家庭ごとの、防災マップの生かし方が浮かび上がった▼防災力の高い森林に包まれた、美しい里山を目指す活動は、これからも続く。ケヤキや桜、紅葉を中心にした山づくり。報告の最後、会場には将来の春のイメージ画像が映し出された。桜に包まれた里山。後世の人たちが今の季節に見渡す古里の山は、紅葉の錦だろう。そんな想像力も今の活動の力だ。

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