冬は山奥、春から里に GPSでシカ追跡

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増加が懸念される中央アルプスのニホンジカについて、南信森林管理署が昨年から行っている全地球測位システム(GPS)による行動追跡調査で、シカは冬期に標高の高い山奥に入り込む一方、春から秋にかけては里山や市街地近くまで移動していることが分かった。天竜川の支流に沿って頻繁に移動しており、南アからの流入ルートになっている可能性も明らかになった。

15日に駒ケ根市役所で開いた、上伊那地方の市町村や国、県の関係機関でつくる中央アルプス野生動物対策協議会(会長・杉本幸治駒ケ根市長)の総会で報告。協議会は調査結果などを活用して生息移動実態をまとめ、今年度中に捕獲方法を含めた対策方針案を作成する。

同署は昨年10月、中アの中田切川上流域で捕獲したオスとメス各1頭にGPS発信機を装着し山に放した。報告によると、オスは放獣以降、中ア山麓の簫ノ笛山(1761メートル)の北側に滞在。春になると中田切川に沿って頻繁に下流まで移動し、JR飯田線付近まで行くこともあった。10月に入ると飯島町の与田切川上流部に移動した。

メスは同じ山の南側に滞在。やはり春から秋にかけて中田切川に沿って里山近くまで下りてきたが、オスと比べると1年を通じて広範囲の移動はみられなかった。

同署は「冬は猟期を察して山奥に逃げ込んでいる可能性がある。4月以降に川に下りてくる時に捕獲するのが効果的では」と提言。「移動ルートになっている渓畔林は対策のポイントになる」と指摘した。

このほか中ア山麓一帯に50台設置しているセンサーカメラによる調査で、3年ぶりに高山帯の中ア駒飼ノ池―濃ケ池間の登山道付近(2650メートル)でオスのシカ1頭を撮影。下伊那郡阿智村や松川町で頻繁に出没している状況も分かった。

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