2018年04月18日付

LINEで送る
Pocket

「農業は作ったものを始末することがとても大切なの」と富士見町の農家の主婦、伏見政子さんは言う。出来の悪いものも収穫物は全て工夫して使い切る。近頃はこの「始末」をできない人が多いようだ―と伏見さん。消費者が気づきにくい指摘にハッとさせられた▼台所だけの話ではない。プラスチックごみの始末が今、世界で問題になっている。劣化粉砕したプラスチックは回収不可能で海中を漂い続ける。東京湾で採取したカタクチイワシの約8割からプラスチックを検出した調査結果があり、30年後には海の魚の総重量を上回るとの見方もある▼専門家の指摘だと汚染原因は川の上流部の暮らしにある。消耗するたわし、人工芝のマット、粒入りの歯磨き粉などとても身近なものが元なのだそうだ。台所の不始末が地球規模の環境悪化を招き、命を危険にさらしている▼プラスチックは、これなくしては生活が成り立たないと思えるほどあらゆる分野で多用されている。事態はとても深刻だが、個人にできる手だてはプラスチックの使い捨てをしない。落ちていたら拾う。ささやかだがこれしかない▼せめてこれからは品物を手にする時点で処分の仕方まで考える思慮を持ちたい。さて、国政では省庁の文書をめぐる問題が汚染のよう広がっている。こちらも始末のつけ方が注目されるが、やはり水面の汚れをぬぐう程度では環境浄化にはなるまい。

おすすめ情報

PAGE TOP