2018年4月19日付

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かつて製糸工場の事務所だった建物に古道具店や古着物店が次々と入居し、今度は写真スタジオがまもなく開店する。延べ640平方メートルほどの2階屋にすべて借り手が付いて、大家さんも驚く人気ぶりだ▼シルク岡谷の一翼を担った吉田館は、岡谷市の中心市街地から少し北に寄った岡谷市加茂町にある。かつて繭倉庫があった場所は生鮮スーパーに業態転換。通りをはさんで工場があった場所は大部分が取り壊され、製糸工場の面影は薄れていた▼くだんの建物は1970年の建築で、事務所や講堂、食堂などとして使われていたという。吉田館では、空き工場という前提で借り手を探していたが、古い建築のため耐震や防火面などで大規模な改修が必要になるため、なかなか入居者が見つからなかった▼そこに「この古さがいいんです」と古道具店が出店したのが約2年前。岡谷市内の商店有志が春と秋に開いていたイベントに加わったことで、新たな人の流れが生まれた。1階は古い建物の雰囲気を生かした古道具店や古着物店に生まれ変わり、空き家が続いていた2階は写真スタジオになる▼いずれも担い手は30~40代の若い世代。吉田館代表社員の吉田光宏さん(61)は「古いものに価値を見いだし再利用していく思想。リノベーションという発想を若い人たちに逆に教えられた」と話す。空き家や空き店舗の再生、利活用の注目すべき好事例である。

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