2018年05月04日付

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特に雨の日の登下校時、中学校周辺の道路が車で混雑する。ここ数年、顕著に見られる光景だ。しかも特定の学校だけではない。学校関係者によると「いずれの」学校でも見られるという。女子大周辺で下校時刻になると、左ハンドルの車が列をなした―のかつての風景を思い出したが、それとは少し雰囲気が違うようだ▼聞けば家族が車で中学生を送迎するため、朝と夕の1日2回、学校周辺の大渋滞が起こっているのだという。小学生のうちは自分の足で歩いていたにもかかわらず、体も大きく、体力もついたはずの中学生が送り迎えしてもらっている。不思議な気分に陥る▼事情があって徒歩で登校できないケースは別として、心身の成長を進める上で徒歩での登下校は欠かせない鍛錬になろう。友人や地域の人たちとの触れ合い、自らを振り返る場、四季や地域の移り変わりを肌で感じられる機会など、徒歩通学の持つ意味は広い▼昨今の交通事情への懸念から「わが子の安全第一」の親心が、学校周辺の混雑につながっているのか。学校長の1人は「せめて学校から少し離れた場所で車を降り10~15分は自ら歩いて」と心身の健康を促す意味を込めて願う▼子どもの安全を考え送迎するのも愛情の一つ。だが、雨に濡れて帰宅したわが子に「よく頑張ったね」とその行為自体を認め、たたえねぎらう配慮にこそ、より深い愛情があると思えてならない。

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