油屋を交流拠点に 小野宿で保存会が取り組み

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小野宿に堂々と立ち街道情緒を漂わせる「油屋」

辰野町の小野宿で、2017年に町へ寄贈された旧旅籠「油屋」を交流拠点として保存活用する取り組みがスタートした。今春発足した地元の保存会を中心に、幅広い世代の住民が清掃作業などを進めており、20日のイベント「第6回初期中仙道小野宿市」で初めて一般公開する。江戸期の街道情緒を残す建物を通じて小野宿の魅力を広め、町内外から人が集まるにぎわいのムードを生み出そう―と意欲的に準備している。

油屋は板ぶき2階建て約350平方メートルで、高い天井やはりが特徴の本棟造り。町教育委員会によると、江戸期などに旅籠を営み1859(安政6)年の大火で焼失したものの、直後に再建したとされる。県宝・小野宿問屋と国道153号を挟んで向き合い、現在まで風情ある町並みの景観をつくってきた。

居住していた所有者が亡くなり5年後の昨年6月、親族が母屋、土蔵、土地を町へ寄贈。小野地区振興会が旗振り役となって町とともに地域に開かれた利用を進める方針を決め、今年3月末に同会や小野区、町役場小野会などのメンバーによる「小野宿交流館油屋保存会」が発足した。地域貢献を掲げ準会員となった両小野中学校の生徒会も加え、会員約60人で始動した。

4月からは週末ごとに会員が集まり、壁や床、中庭の清掃、障子の張り替えといった作業を実施。丁寧な作業で格子窓や雪見障子もきれいになり、徐々に往時の姿に戻りつつある。中学生に近隣住民、町職員までさまざまな顔触れが集い、年齢や立場を超えた交流の場にもなっている。

小野宿市(午前10時~午後4時)では、イベントの目玉として建物を公開。見学自由で来場者を歓迎し、記念企画として手打ちそばの振る舞い(午前11時から)を行う。両小野中生徒は、野沢菜のおやきやカボチャのパウンドケーキなど、地元食材を使った手作りの食べ物でもてなす。

油屋はイベント後も手入れ作業を継続し、定期的な一般公開についても検討する。同保存会の小澤晃会長(65)は「住民が率先して維持管理や活用を担うことで、油屋が地域の宝になっていく。手探りの状態だが、各世代が参加できる雰囲気を大切にして、息の長い活動につなげたい」と話している。

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