諏訪湖花火裏方で支え37年 山田博道さん

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打ち上げ施設を設置したり、花火師として打ち上げたりと諏訪湖祭湖上花火大会の運営を支える山田博道さん

15日に行われる第70回諏訪湖祭湖上花火大会。節目の大会を長年にわたり裏方で支える一人が、信州タケエイ(諏訪市)の従業員、山田博道さん(67)=下諏訪町東山田=だ。打ち上げ施設の設営に従事して37年のベテラン。花火師として打ち上げにも携わり、二足のわらじで大会を支えている。

「火薬のにおいがたまらない」。子どもの頃から自宅近くの花火店の人にくっついて打ち上げを見ていたほどの花火好き。高校卒業後、愛知県内の車修理会社を経て1980年に下諏訪町に帰郷し、クレーン会社に勤務した。81年、ナイヤガラの花火をセットするワイヤをクレーンでつる作業から大会に関わった。

昭和50年代後半に大玉水上スターマインとして30号玉(3尺玉)を準備したのが忘れられない。「花火の重さは280キロ。重機でつり上げてセットしたよ」。

35歳ごろ、煙火店関係者から誘われ「煙火打揚従事者」の講習を受け、打ち上げにも関わるようになった。諏訪湖だけでなく、東京・奥多摩や山梨など各地に出掛けた。早打ちが専門で「やけどもけがもした」が、そう話す表情は生き生きとしている。「好きなんだろうね」と笑う。

花火師としての経験が打ち上げ施設を作る際に生きている。花火の規模によって足場にかかる力の程度が分かるからだ。「打ち上げ台をただ頑丈にしても、そこに(点火時の)力が集中してしまう。爆風をどう逃がすかが大事」という。

諏訪湖中の状況を知る山田さんは煙火店にとっても大きな存在。小口煙火(諏訪市)の小口芳正社長は「湖中の緩さや硬さを知っているから(打ち上げ用の)くいをどこに打てばいいか分かっている。打ち上げに欠かせない職人です」と信頼を置く。

今年の見どころの一つが、人工島「初島」以外の場所では初となる尺玉(10号玉)の打ち上げ。華やかさを演出する仕掛けだ。初島より沖合に直径30センチの筒を支える金属製の「H鋼」を幅300メートル超の区間に10基設置する。その筒の下にある鉄製の支えの原型は山田さんがアドバイスした。

現在は、湖上で作業するクレーンを運ぶ台船を作業場に移動させる船(タグボート)の船長などとして従事する。「60歳も過ぎたし、そろそろやめようと思うんだけど、何だかんだ続いてきた」。若い花火師がけがをしないよう、自らの経験を伝えるつもりだ。「湖上の花火はやっぱりいい」。観客も花火師も安全で楽しめる大会として続くことを願っている。

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