2016年05月19日付

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 こまくさ、しらかば、りんどう、あすなろ―。地元の小中学校には、学年ごとに植物の名を愛称として付ける慣例がある。「あすなろ学年」となり、それまで知らなかった「翌桧」を木々の中から探すなど親しみを感じたことを思い出す▼日本地質学会が、全国47都道府県で産出する特徴的な岩石や鉱物、化石をそれぞれ「県の石」として選定した。長野県は下諏訪町・小県郡長和町境の和田峠から産出する黒曜石とざくろ石、野尻湖(上水内郡信濃町)のナウマンゾウの化石が認定された。石器の材料とされた黒曜石は霧ケ峰周辺でも採取され、なじみ深い石だ▼面白いところに目を付けたと感心する。学会が指摘するように、花や樹木、鳥などをシンボルに定める自治体は多いが、石は聞いたことがない。「日本は面積こそ小さいが、複雑な地質構造をもつ世界でも特異な場所」とし、大地の性質や成り立ちに関心を持ってほしい―と選定の理由を説明している▼日本ジオパークの認定を受けている南アルプスはまさに複雑な地層、地質帯で構成され、流れ出る三峰川は赤色チャートや石灰岩をはじめ多彩な石が混在する「石の宝庫」。一方中アは国内最大の花こう岩山脈とされる。鉄平石は諏訪特産の石として欠かすことができない▼学会にならい「わがまちの石」を探してみてはどうか。大地の記憶が詰まっている石から、新たな魅力が見つかりそうだ。

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