天神山古墳の出土品 美篶笠原区が伊那市へ

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寄贈に至る経緯や古墳発掘調査の様子を話す坂田さん(中)と櫻井さん(右)ら

伊那市美篶笠原区は3日、区が所有する天神山古墳の出土品を同市へ寄贈した。明治時代に地元住民が発見した鉄刀や金環、めのう製勾玉、土器の須恵器など24点と、鉄刀の一部とみられる複数の破片などを市創造館で収蔵する。長年にわたり管理していた吉祥寺(同区)前住職の坂田徹恩さん(90)と櫻井準区長(69)が同館を訪れ、「多くの人が勉強するのに役立ててほしい」と思いを語った。

区内の同古墳は天神山(標高805メートル)西側の麓にあり、明治32(1899)年に住民が古墳と知らずに掘り起こし、石棺に収められていた副葬品を見つけた。昭和27(1952)年、古墳の発掘調査を行い、さらに副葬品が出土した。明治に副葬品が発見されて以降、区が発掘調査の出土品と合わせて所有。寺が管理し、本堂で展示していた。

坂田さんは見学した発掘調査での様子を語り、「昔は学生が見に来ていたが、今はわざわざ見に来る人も少なくなった。多くの人に見てもらい、笠原の歴史を知ってほしい」と期待を込めた。

区は寺の思いを受けて今年度代議員会で審議し、総会で区民の承認を得て、すべての出土品の寄贈を決めた。

同館は寄贈品のうち、割れていた須恵器を復元。その形状から、古墳は6世紀後半から7世紀初頭に造られたとみられることが分かった。今年度内に県立歴史館と協力し、さびで覆われた鉄刀やつばなどをエックス線で撮影して大和王権との関わりを調べる。

同館学芸員の濵慎一さんは「伊那市には古墳が多くあるが、ほとんど発掘されず、分かっていないことが多い。寄贈のおかげで伊那市の古墳時代の研究が進む」と感謝。来年2月に同館で出土品を展示する予定で、「地域の宝として大切にされていたように、伊那市でも大切に活用していきたい」と話した。

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