スマート農業技術 伊那で大規模実証実験へ

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直進アシスト機能が付いた田植え機の走行を見学するコンソーシアムのメンバー=伊那市東春近

県や伊那市、信州大学、JA上伊那などの産学官民でつくる研究チームが、同市東春近の農事組合法人「田原」が経営するほ場で、スマート農業技術の大規模実証実験を始める。遠隔操作による水田の水管理や小型無人機ドローンを活用した水稲の生育管理など、8項目の実証・研究を来年度まで2カ年かけて実施。中山間地の稲作経営で先端技術を駆使した場合の作業効率化やコスト低減効果を探る。

農林水産省の事業に採択された。大手農機メーカー「クボタ」を含む12機関で「信州伊那谷スマート農業実証コンソーシアム」を設立。JA春富支所で10日、キックオフ会議を開いた。

田原が経営する45ヘクタールのうち15ヘクタールを、スマート農業を展開する実証ほ場に設定。その他のほ場では従来通りに生産して比較していく。

ドローンの実証には信州大 学農学部の渡邉修准教授も参加する。県によると、病害 防除技術のほか、水稲の生育状況や肥料の状況を空撮画像から解析する技術に用い、「生育に応じた追肥を実施することで、収量・品質を高位に安定させたい」とする。

スマートフォンと自動給水栓を使用する自動水管理の実証では、水の見回り労力の削減を目指す。GPSによる直進アシスト機能が付いた田植え機の実証は5月初旬に行う予定。先端技術の導入による労力の削減分を長ネギなどの他品目の生産に回して経営基盤の強化を図る。初年度の事業費は約5030万円。

丸山秀樹・県農業試験場長は「中山間地においては少子高齢化の激しい進行が予測されており、革新的な農業技術体系をいかに取り入れるかが課題になる」と指摘。実証データは整理して提供していくとし、「伊那谷を情報の発信地として、県全体の中山間地農業の持続的発展につなげたい」と述べた。

田原の中村博組合長は「先端技術の導入により、後継者を雇える経営体に、農業に魅力を感じて若い人が入ってくる経営体にしたい」と期待を込めていた。

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