飯島氏29代当主 県立歴史館に史料寄贈

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飯島氏29代当主の飯島紘さんが県立歴史館に寄贈した史料

平安時代末期の発祥とされ、武士や名主として家系をつないだ飯島氏の29代当主飯島紘さん(76)=飯島町北町=が、同家に代々伝わる史料3000点余を県立歴史館(千曲市)に寄贈した。戦場で用いた采配や、名主となった江戸時代に地域文化や日常生活を記した日記などで、「武家の変遷がよく分かる貴重な史料」と同館。2019年度中の公開を目指し、史料整理を進めている。

歴史館によると、飯島氏は源氏の流れに属し、鎌倉時代には将軍と主従関係を結んだ武士「御家人」。承久の乱(1221年)で手柄を立てて、一族が恩賞の地、島根県奥出雲へ移った。先代は戦国大名の武田信玄や徳川家に仕え、高遠城の戦い(1582年)や関ケ原の戦い(1600年)などにも参戦。江戸時代に名主となった。明治時代には現在の町内に置かれた伊那県庁の出納役で、飯島村の戸長(村長)なども務めた。

寄贈したのは、1585年に徳川家康が、反抗した真田氏を征伐する兵を挙げるために飯島氏に宛てた軍令状を写した「飯島家家訓」のほか、武田家から受け継いで大坂夏の陣(1615年)では「守り本尊」として持参したと伝わる毘沙門天像。第23代の為仙(ためのり)が江戸時代における日常生活などを記した日記や遺言状もある。

同館文献史料課の村石正行専門主事は「県内に残る御家人の家系でこれだけまとまった史料があるのはまれ」と史料保存の重要性を指摘する。史料の大部分を占める江戸時代の古文書には和歌なども豊富に記されており、「地域における文化活動を知る上でも貴重だ」と話す。

同館へ寄贈したのは2017年12月。飯島さんに跡継ぎがいないことから、寄贈を決めた。歴史館では公開に向けて史料を1点ずつ調査し、目録に記す作業を進める。飯島さんは史料を後世に伝えることの意義を示し「歴史は調べることで新たに分かってくることがある。関心を持たないと忘れ去られてしまう。歴史館できちんと保管されることになりよかった」と話した。

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