吉川市の在来種「保村早稲」飯島城跡で栽培へ

LINEで送る
Pocket

飯島さんから譲り受けた種もみから育った苗の様子を見守る生産者の塩澤正登さん(左)と保存会の酒井裕司さん(中)ら

飯島町の飯島氏に祖先のルーツがある埼玉県吉川市中井の飯島輝男さん(87)が育てた吉川市の稲の在来種「保村早稲」が、飯島氏が中世に築いた飯島城跡(飯島町本郷)の水田で栽培されることになった。伝統的なわら細工を継承し大相撲の土俵作りにも関わる飯島町の合同会社「南信州米俵保存会」が、4月に飯島さんから2キロの種もみを譲り受けたもので、本郷の米農家塩澤正登さん(54)が全面的に協力して生産。順調に発芽して育っており、今月25日ころに田植えを予定している。

南信州米俵保存会の代表社員酒井裕司さん(43)は先月16日、土俵の俵作りを昨年まで行っていた先輩格の吉川市を訪問。関係者と話しをする中で、わら細工に適した保村早稲を生産する農家として偶然にも飯島さんを紹介された。

茨城県の農業試験場に残っていた種を少しずつ増やして、衰退していた保村早稲を復活させた飯島さんは、突然の飯島町からの来客に快く対応。「長野から埼玉に来た分家が本家に里帰りするような感じ」と、その貴重な種もみを酒井さんに託した。

さらに「飯島つながり」の偶然は重なり、持ち帰った種もみは、飯島城跡一帯で稲作する塩澤さんの元へ。先月25日に播種し、現在は育苗ハウスの中で5センチほどの苗に育っている。

10日に飯島さんと電話で連絡を取り合い、保村早稲の栽培法について説明を受けた塩澤さんは「手探りの部分はあるが、今あるものを少しでも増やして今後につなげたい。地元に関わりのあることに携われてうれしいし、少しでも力になれれば」と話した。

丈が1メートル40センチに達して稲わらに最適な保村早稲は、味も良質という。酒井さんは「在来種はなかなか分けてもらうことができず貴重。飯島氏発祥の地で育て、ブランド米として普及させたい」と意気込み、稲わらの安定確保に向けて期待感を示した。

おすすめ情報

PAGE TOP