裁判員裁判制度10年 長野地裁がシンポ

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裁判員裁判への理解を深めた長野地裁主催のシンポジウム」=長野市内

裁判員裁判制度が始まって21日で10年となるのを前に、長野地裁主催のシンポジウムが19日、長野市内であった。裁判員経験者と法曹三者による討論会や模擬評議を通じて参加した約100人が制度への理解を深め、裁判員の負担軽減を図るような参加しやすい制度のあり方を考えた。

討論会は、裁判員経験者3人と裁判官や弁護士などの計6人が議論。経験者からは、負担として審理期間の長さのほか、守秘義務の負担を指摘する意見も。松本市の69歳男性は「周囲の人に事件の話をしたい気持ちが生まれる。話して良いことと駄目なことを整理しなければならない難しさを感じた」と話した。

裁判員に選ばれたことには「良い経験になった」と口をそろえた経験者たち。判決を決める評議は裁判官を中心に議論しやすい仕組みになっているとし、佐久市の50代女性は「被告人の人生をみんなで考えた達成感があった」と意見した。

法曹三者側は、争点や証拠の事前整理による審理短縮、分かりやすい裁判の進行を心掛けていると説明。山崎勝巳弁護士は「法律の知識がないと心配する人もいるが、だからこそ1回の裁判に向き合ってもらえている」。長野地裁の室橋雅仁裁判官は「裁判員を経験したことで犯罪の背後にある問題を考え、社会をより良くする力になりたいと話す人もいる」と制度の浸透を歓迎し、さらなる理解や負担の軽減に努めたいとした。

裁判員制度は2009年5月、刑事裁判に市民の感覚を反映させる目的で始まった。最高刑が死刑が無期懲役、故意に被害者を死亡させた事件が対象。長野地裁によると、県内では今年2月末までに裁判員に選ばれたのは744人。対象となった被告は149人で、うち殺人が33人、強盗致傷と現住建造物等放火が各27人。

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