2019年6月18日付

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カワセミの仲間の渡り鳥、アカショウビンは「水恋鳥」の別名を持つ。梅雨前線より少し前に日本列島を北上するという。長野市出身の気象キャスター倉嶋厚さんは、哀調を帯びた鳴き声は一度聞いたら忘れられないと著書に書いている▼気象庁で主任予報官などを歴任した倉嶋さん。気象台長として赴任した鹿児島で、初めてアカショウビンの鳴き声を耳にした。「ピョロロ、ピョロロー」。定年間際の転勤で感傷的になっていたせいか、谷間から聞こえてきたその声は、一層悲しげに響いたという▼その季節、その場所でしか聞けない歌声がある。野鳥との一期一会に期待し、“耳の旅”をしてみるのもいい。各地で催されている探鳥会を何度か取材したが、案内人に導かれるようにして、声の主を双眼鏡で夢中になって探す子どもたちの姿が印象に残っている▼岡谷市郊外の塩嶺御野立公園一帯が県の「小鳥の森」に指定されて50年の節目を迎え、日本野鳥の会諏訪支部が先に、記念イベント「バードフェスティバル諏訪」を開いた。「人と鳥の共生」をテーマに野鳥に親しむさまざまな催しがあり、家族連れらが来場した▼環境省の「日本の音風景100選」にも認定されている塩嶺の小鳥のさえずり。毎年5、6月の日曜日には「小鳥バス」が運行されていて、野鳥の聖地に気軽に足を運ぶことができる。心に残る歌声にきっと巡り合えることだろう。

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