2019年9月8日付

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空気が新鮮でおいしい―。旅行などで信州を訪れた人からよく聞かれる言葉だ。子どものころはピンとこなかったが、早朝や少し山に入った際の空気に触れると、そんな感覚を抱くことがある▼二酸化炭素の吸収や大気の浄化作用など、身近にある山林の効果なのだろう。生態系保全や土砂災害防止など、近年はその多面的機能が認識され、森林整備の推進につながっている▼ブラジル・アマゾンの森林火災がおさまらない。被害は国境を越え、国立宇宙研究所によると、8月だけで焼失面積は約2万5千平方キロメートルに達した。発火から1カ月余りで長野県二つ分ほどの森林が失われた計算だ▼地球上の20%の酸素をつくり出すことから”地球の肺”とも呼ばれるアマゾン。フランスのマクロン大統領は「私たちの家が燃えている」とツイッターに投稿し、火災が地球規模の危機であることを訴えた。世界の温室効果ガス排出量の約20%は、森林が農地などに転用されたことによるものとされる。これまでもアマゾンの伐採や焼畑農業は問題視されてきた▼豪雨など異常気象の頻発、酷暑、生態系の変化、伝染病の国内感染―。地球温暖化による環境の変化を、普段の生活の中でじかに感じるようになってきている。今回の大規模火災は温暖化をさらに加速させると指摘される。おいしい空気は守らなければならない貴重な財産なのだと、改めて教えられた思いだ。

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