2019年09月27日付

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日刊新聞発祥の地・横浜にあるニュースパーク(日本新聞博物館)へ出掛けた。報道写真展「平成の軌跡 そして令和へ」が29日まで開かれている。初の消費税導入で1円玉を大量に用意する店の光景は平成元年3月末の写真。同4年8月に100歳を迎えた双子の姉妹きんさん、ぎんさんは写真の中で笑顔だ▼景気、世相、平成の30年と4カ月が凝縮していた。足を進めると自然災害の写真が目立つようになる。58人が死亡、5人が行方不明となった御嶽山の噴火はきょうで5年となる。阪神淡路、東日本大震災、西日本豪雨…。社会科見学の小学生がパネルの前で足を止めていた▼2011年3月13日付の宮城・石巻日日新聞を特別展示していた。ペンで紙に書いた号外新聞。津波で輪転機が水没し、発災翌日の12日から6日間、手書きで新聞作りを続けて避難所などの壁に貼り出した▼「各地より救難隊到着」と見出しを付け、ライフラインの状況や復旧の見通しを伝えていた。社員たちも被災者。大切な家族がいる。そうした中で地域紙として地域に寄り添い、情報を伝え続けたことに感銘を受けた▼新聞は速報性でテレビやラジオ、ネットに劣る。だが、同展を見て感じたのは紙と活字、写真が持つ「訴える力」の強さ。地域に寄り添って課題やニーズをつかみ、調査報道や提言を織り交ぜて復興や減災につなげていく。災害時の新聞の大きな役割だ。

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