人質司法の問題点考える 県弁護士会がシンポ

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人質司法の問題性を考えた県弁護士会のシンポジウム=29日、長野市内

県弁護士会(相馬弘昭会長)は29日、容疑者や被告人の身体を拘束して自白を迫る「人質司法」をテーマに長野市内でシンポジウムを開いた。会員や一般の約70人が参加。人質司法の問題点や、捜査機関による逮捕や勾留の請求が高い割合で認められている課題を共有した。

講演した司法問題に詳しいジャーナリストの江川紹子さんは、人質司法について「否認する人は長く拘束し、認める人は早く出られる状況をつくり、その状況を利用して自白させ、有罪に結び付ける司法だ」と解説。長期間の勾留から解放されようと自白してしまった事例を紹介した。判決前の長期勾留は「刑罰の先取りで、推定無罪の原則に反する」とも指摘した。

同会によると、長野地裁の2017年の勾留請求却下率は0・38%。全国平均3・85%を大きく下回り、各都道府県庁所在地と北海道の函館、旭川、釧路の各市にある50カ所の全地裁のうち、下から2番目の49位だった。実態を解説した同会の藤原寛史弁護士は「勾留の要件が安易に認められていることが原因。不当な場合は県内弁護士が不服申し立ての準抗告や裁判所に意見し、裁判官の意識を変えていかなければ」と話した。

逮捕や勾留は法律により、逃亡や証拠隠滅の恐れなどがある場合に認められるが、藤原弁護士は条件を満たさないケースがあると指摘。「身体拘束は例外的な措置で、懲罰的な逮捕や勾留は仕方がないと思われがちだが、それも間違いと認識する必要がある」と述べた。

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