SDGsを経営に【上】 みやま(茅野)

LINEで送る
Pocket

廊下に掲示した5Sと改善プロジェクトの活動報告について説明する百瀬社長。SDGsを解説したポスターなどと共に貼り出し、意識の向上につなげている

プラスチック射出成形のみやま(茅野市ちの、百瀬真希社長)は、経営そのものにSDGsを組み込み、社内で理念を共有し、社員へ意識の浸透を図っている。今期から戦略や品質方針の一つ一つにSDGsの各目標項目のどれが当てはまるかを明記。百瀬社長は「会社を良くする取り組みとSDGsは合致する」とし、本来業務の改善を通してSDGs推進につなげている。

百瀬社長が掲げる今期の第一戦略は「聖域無き本来業務の改革によるSDGs推進と二酸化炭素(CO2)削減への貢献」。この指針に基づいて部課長が各部署の方針を考え、さらに部課長の方針に従って社員一人ひとりが仕事の目標を作っている。目の前の仕事が持続可能な社会につながることを意識付ける。

百瀬社長が社長に就任した2008年から、独自の技術を次世代に受け継ごうと環境活動に力を入れ始めた。本格的に環境に配慮した経営へ乗り出したのは、環境省が策定した制度「エコアクション21」がきっかけ。環境への取り組みに積極的な中小企業などを認証する制度で、11年に認証を受けた。

エコアクション21を機に、CO2削減などに取り組む中で、不良品の発生や発注方法、社内の整理整頓など無駄を生まないよう業務を徹底的に見直した。工場のラインごとに契約する電力会社を変えたり、トイレを改装したりするなど出来ることから着手し、生産性を高めてきた。「5Sと改善活動」と題し、15年からは毎日10分間、工場周辺の清掃や社屋内のレイアウト変更などに社長を含め全社員で取り組む。社員自ら廊下の壁を茶色から白色に塗り直し、照明の数を減らして節電するなど工夫を重ねる。これまでの取り組みを踏まえ、百瀬社長は「簡単に解決できる方法はない。一人ひとりの心掛けを変えないと状況は変えられない」と話す。

30年までに「CO2単位売上当たりの排出量を19年よりも20%以上削減すること」が一つの目標。17年9月~18年8月のCO2排出量は1113・1キロ(売上高100万円当たり)で目標を達成した。毎年、CO2や可燃物の排出量、化学物質や水道使用量の削減など目標値と結果をリポートをまとめ、社内外に公表している。

百瀬社長は「SDGsの目標項目を一つずつ確認してほしい。何も難しくなく、当たり前のこと。『質の高い教育をみんなに』という項目であれば、社員の資格取得の支援など出来ることをやる。SDGsは会社を良くするためのツール」と話している。

― ― ― ― ―

「SDGs」という言葉が行政や企業、市民グループなどの間で聞かれるようになった。持続可能な開発目標を意味する言葉で、2015年の国連サミットで採択され、30年に世界各国が達成すべき17の目標が並ぶ。県は総合計画「しあわせ信州創造プラン2・0」にSDGsを盛り込み、企業経営に導入を促す施策も展開。17日から始まる諏訪圏工業メッセ2019(同実行委員会主催)では、SDGsを経営方針に取り入れる意義を発信し、機運を醸成したい考えだ。

同実行委の小坂和夫推進本部長は9月25日の出展企業説明会で「今回の工業メッセではSDGsを大きなテーマの一つとしたい。参加企業の皆さんにはぜひ、取り組む意思を表してほしい」と要請。その後の取材に「国内でSDGsの先進地とされる長野県の中で、諏訪地方が特に進んだ地域となるきっかけにメッセが役割を果たせられたらうれしい」と語った。

今回の工業メッセには、すでにSDGsを経営方針に盛り込み、目標達成に向けて歩みを進めている企業も多数出展する。SDGsに取り組む地元の出展企業を訪ねた。

おすすめ情報

PAGE TOP