運用開始前に早くも暗雲 マイナンバー制度

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心配していたことが現実味を帯びてきた。すべての国民に12桁の番号を割り当てる「マイナンバー制度」で、通知カードを受け取れない世帯が全国で続出している。

年明けから個人番号を使った行政手続きが始まるというのに、年内までに手元に届かないケースは相当数に上るのではないか。通知カードを簡易書留で全世帯に配達するという前例のない取り組みとはいえ、鳴り物入りで導入されるマイナンバー制度に早くも暗雲が立ち込めている。

税や社会保障分野、災害対策関連の情報を一元化して、個人番号と結び付けるのがマイナンバー制度だ。10月から始まった全世帯への通知作業は当初、11月までに終える予定になっていた。ところが12月に入っても配達が完了しないばかりか、師走の繁忙期と重なった郵便局や自治体に混乱を生じさせた。日本郵便によれば、ここに来てようやく初回の配達分をほぼ終えたという。

問題なのは、不在や転居などで本人に配達することが出来ず、差し出し主である自治体に返送された通知カードが全国で500万通を超え、全体の1割近くにも上っていることだ。

諏訪地域6市町村でも不着世帯が計5000通を超えている。不着率が7・3%(12月11日現在)の岡谷市では、市役所内に臨時の専用窓口を設けて、住民票の住所に居住していない人などに対し、受け取りを促す通知を発送するなど対応に追われている。

本人に届かなかった通知カードは郵便局で原則1週間保管する。その期間が過ぎると市町村に返送され、3カ月程度保管されるが、自治体には本人の受け取りがない通知カードが宙に浮いたままになっている。運用開始を目前にして、このありさまでは、マイナンバー制度が順調にスタートを切れるのか甚だ疑問だ。

そもそも、通知カードを受け取れない人が相当数に上ることは通知作業が始まる前から多くの専門家が危惧していた。制度に対する不安と理解が進まない中、見切り発車したツケが回ってきたともいえる。届けるまでの方法や配達スケジュールの立て方を含めて事前に対策を検討していれば、今回のような混乱は避けられたはずだ。

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