投票の利便性、一歩前進 公選法改正へ

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もっと投票しやすい環境を整えてほしい。有権者の間で以前から不満の声が上がっていた問題で、政府は今年7月の参院選から適用する「18歳選挙権」に合わせて、「共通投票所」の創設などを盛り込んだ公職選挙法の改正に乗り出す方針だ。投票の利便性を高めることで、国政や地方選挙で低迷が続く投票率向上に結び付くのか。参院選は選挙結果だけでなく、投票率の行方にも注目したい。

共通投票所は、市区町村の判断で駅構内や商業施設などに投票所を設けることが可能となり、居住する有権者であれば誰でも選挙当日に投票できる。当日投票所は現在、地域の学校や公民館など選挙管理委員会が指定する1カ所に限られている。改正が実現すれば、外出先の商店街などで買い物を楽しむついでに一票を投じることができるようになる。

期日前投票では、駅構内や商業施設などに投票所を設置して成果を上げている自治体もある。松本市では2009年の衆院選から、JR松本駅の自由通路に期日前投票所を設けた。大型商業施設をはじめ駅周辺にはオフィス街や大学もあり、女性の投票者が多いのも特徴という。選挙当日にも投票所が設置されれば利便性が高まり、相当の効果が期待できそうだ。

投票所に同伴できる子どもの年齢も、現行の「幼児」から「18歳未満」に拡大する。有権者の仲間入りを果たす前の中高校生が、親の投票行動を通して政治参加する大切さを知る機会にもなる。

ただ、課題も残されている。全国で投票所が減り続けていることだ。県内も同じ傾向にある。昨年春の県議選で設置された投票所は1473カ所だったが、前回選より40カ所以上減少した。

そのほとんどは農村部の中山間地域だ。厳しい財政事情で投票所運営が市町村の大きな負担になっているとはいえ、過疎地に生活し、移動手段を持たない高齢者の利便性を真剣に検討すべき時期に来ているのではないか。

投票時間の短縮が増加傾向にあることも気掛かりだ。昨年春の県議選では47市町村の計312カ所で1~3時間の繰り上げが実施された。それが許されるのは、公選法で「特別な事情がある場合に限る」と定めてある。安易な投票時間の繰り上げは、一票を投じる機会の公平性を損なう恐れがある。

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