「入野谷」来月から休止 伊那市

LINEで送る
Pocket

12月から休止する伊那市長谷の「入野谷」

伊那市は25日の市議会全員協議会で、同市長谷の宿泊施設「入野谷」を12月から当分の間、休止する方針を明らかにした。運営する同市の第三セクター伊那市観光の経営悪化を受け、赤字が常態化している施設の抜本的な見直しを図る狙い。市は今年度限りで伊那市観光の指定管理者の指定を解除するとともに、新たな指定管理者の公募や民間への売却を検討する。

入野谷は旧長谷村時代の1998年3月に建設された。鉄筋2階建て一部鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は2860平方メートル。建設費は約9億3900万円。2006年の市町村合併後は市が引き継ぎ、伊那市観光が指定管理者として運営していた。

市によると、パワースポットとして知られる分杭峠の「ゼロ磁場」ブームが去り、市外から訪れる利用者が減少。さらに、同じ長谷地域にある宿泊施設「仙流荘」と競合する上、南アルプス林道バスの停留所がある仙流荘と比べ集客力も弱かった。

ここ10年ほどは右肩下がりで利用者が減り、赤字が常態化。伊那市観光の経営を圧迫していた。黒字化には年間3万5000人前後の利用者が必要というが、近年は2万1000人前後に低迷。昨年度は利用者が減る冬季の閉鎖に踏み切り、利用者は約1万6000人にとどまった。

市は「今後も黒字は望めず、経営を続ければ赤字が累積し、伊那市観光の経営改善にも影響を及ぼす」と判断。冬季閉鎖も十分な赤字圧縮には至らず、11月末での休止を決めた。ただ、施設自体は比較的新しく、自然に恵まれた環境にもあることから、新たな引受先を探る。

市商工観光部は取材に「施設の維持管理もあり、何年もかけるわけにはいかない。1年ほどの間に方向性を出したい」と説明。引受先が見つからない場合は「市の直営は考えていない。廃止も含めて検討する」とした。

伊那市観光は市が所有する宿泊施設や日帰り入浴施設、山小屋などを運営しているが、赤字が続き、経営が悪化。市議会は今年1月、同社の経営改善を白鳥孝市長に提言。入野谷については民間への売却や廃止を含めた抜本的な検討を求めていた。

おすすめ情報

PAGE TOP