移動診察車 伊那市がデモンストレーション

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移動診察車を使った遠隔医療のデモンストレーション。リフトで車いすの患者を乗せる

伊那市は12日、移動診察車を使った遠隔医療の実証実験のデモンストレーションを市役所で行った。新たに実証実験に参加する医療機器大手のフィリップス・ジャパン(東京)との連携協定締結に合わせて実施。実験は来年度まで2年間の計画で、年明け後から移動診察車の運用を始め、実用化に向けた課題を検証する。

市は今年5月、トヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社「モネ・テクノロジーズ」(東京)と次世代モビリティー(移動手段)サービスに関する連携協定を締結。高齢化が進む中山間地域で移動診察車を使った遠隔医療の実証実験を始めると発表した。

フィリップスもモネと連携する形でヘルスケア分野での次世代モビリティーサービス事業に参入し、モネと伊那市が進める実験に参加することを決めた。協定書に調印した堤浩幸社長は同市との連携について「住民サービス向上に対する意識が高く、学ぶところが多い」と評価。「伊那市から日本、世界へ展開していきたい」と力を込めた。

移動診察車には脈拍や血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーター、血圧計、心電図モニターなどの医療機器を搭載。遠隔医療で認められている糖尿病や高血圧症など安定期にある慢性疾患の患者を対象に、看護師を乗せて患者の自宅などに出向き、テレビ会議システムを通じて医師から指示を受けながら診療を行う。将来的には遠隔での服薬指導も行いたい考えだ。

デモンストレーションでは関係者が看護師や医師、患者になって実演。リフトを使って車いすのまま患者を車に乗せると血圧などを測定し、パソコンからデータを入力。医師はデータに基づいて看護師に指示したり、患者に話し掛けたりした。カメラは取り外して患者の患部を映したりすることも可能という。

実験には市内の3医療機関が参加する予定。神山内科医院の神山育男副院長は「訪問診療をしなければならない患者が増えている」とし、「医療者にとっては効率化、患者にとっては安心につながる」と改めて期待を寄せた。

白鳥孝市長は医師不足や医療機関の偏在、高齢化に伴う移動困難者の増加などの地域課題を挙げながら「同じような課題を抱えている地域のモデルになる」と述べた。

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