変わる西駒学校登山 ロープウエーを利用

LINEで送る
Pocket

西駒登山に向けた訓練の予備登山で、地元・池山(1774メートル)の山頂を目指す赤穂中の生徒ら=5日

西駒登山に向けた訓練の予備登山で、地元・池山(1774メートル)の山頂を目指す赤穂中の生徒ら=5日

上伊那地方の中学2年生が中央アルプスの主峰・駒ケ岳(2956メートル)を目指す「西駒登山」が14日から、飯島町の飯島中学校を皮切りに始まる。上伊那では登りか下りのいずれかにロープウエーを利用する学校が増えており、今夏ロープウエーを使わないのは駒ケ根市の赤穂中だけになった。背景には生徒の体力や安全への配慮、参加生徒を一人でも増やしたいという学校側の思いがあるようだ。

中アの学校登山を取りまとめている西駒登山事務局によると、上伊那では今年、全14校のうち、南ア・仙丈ケ岳に登る伊那市の高遠中、長谷中を除く12校の1750人余が7、8月に入山を予定。それぞれ山小屋に宿泊する1泊2日の計画で、下山にロープウエーを使う学校が多いという。かつては体調不良やけがを負った生徒の搬送用などに限られていたが、10年ほど前から全生徒に利用する学校が増えてきた。

箕輪町の箕輪中は、駒ケ根高原から入る北御所登山口から入山し、駒ケ岳山頂を経て将棊頭山方面へ向かい伊那市の桂小場登山口へ下るルートを歩いていたが、今年から登りの際にロープウエーを使うことを決めた。

生徒ら11人が命を落とした1913(大正2)年の中箕輪尋常高等小学校集団遭難の歴史を受け継ぐ同校にとって、将棊頭山近くに設けられている遭難記念碑は外せないルート。有賀泰司教頭は「体力や気持ちの面などで不安を抱え、参加できない生徒が毎年一定程度いる。北御所登山口からの登りは7時間ほどかかり、ほかの山と比べても難度が高い。登りの負担を取り除き疲労や不安を軽減することで、より多くの生徒の参加が可能になると考えた」と説明する。

集団登山は危険が伴うため、各校は安全対策を徹底。引率する教職員に加え、山岳ガイドや医師、看護師などに帯同を依頼しているほか、昨年からは全校に上伊那広域消防の消防職員が随行している。ある学校の教員は「ロープウエーの活用も、体力的に不安のある中学2年生の安全を担保する手段の一つ」と話す。

一方赤穂中は、昨年までの箕輪中と同じルートをすべて歩く計画。同校は学校目標の一つに「たくましい体力」を掲げ、南信で唯一、運動会を行っている中学校でもある。藤澤義富校長は「いつも見上げているふるさとの山に自分の足で登り下りし、自然の雄大さや厳しさを学ぶ貴重な体験を大切にしたい」と話す。

さらに50年前から続く運動会の競技「大蛇」とともに西駒登山が同校の伝統行事になっているとし、「仲間と一緒にやり遂げた体験を大切にする地域性や校風もあると思う」と指摘。「今後の対応は未定だが、現時点ではこれまで通り続けていきたい」としている。

おすすめ情報

PAGE TOP