中ア国定公園化へ 中央環境審が答申

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中央アルプス計画図(案)※上伊那エリア抜粋

環境相の諮問機関・中央環境審議会は27日、希少な氷河地形や高山植生などを有する中央アルプス県立公園を「中央アルプス国定公園」に指定するよう求める諮問を受け、即日答申した。これで中ア国定公園化が決まり、3月予定の官報告示で正式指定となる見通しだ。環境省によると、現行の県立公園の指定区域をそのまま国定公園に移行。自然環境を厳格に保護する「特別保護地区」を千畳敷カール周辺に新設するなどし、一層の自然保護や利活用を進める。答申を受けて、地元関係者から期待の声が上がった。

国定公園は、国立公園に準ずる優れた自然の風景地で、国管理の国立公園に対し、都道府県が管理する。中アが正式指定されれば、国定公園は全国で57カ所目。県内では、佐久市や軽井沢町、群馬県にまたがる「妙義荒船佐久高原国定公園」(1969年指定)以来、4カ所目となる。

中ア国定公園のテーマは「アルプスの自然と山のくらし~氷期からつづく山・谷人が守る山」。指定区域は上下伊那、木曽地域など13市町村にわたる3万5116ヘクタールで、千畳敷カールや濃ケ池などの氷河地形や希少な高山植生が形成される高山帯が中心。同省は指定理由について、優れた氷河地形のほか、ヒメウスユキソウといった固有種や高山チョウなど貴重な生態系を有し、傑出性が高い風景地であるとした。

公園区域は、環境保護や開発の規制が強い順に、特別保護地区や第1~3種の特別地域、普通地域に分類する。特別保護地区に設定する千畳敷カールや濃ケ池など一帯176ヘクタールでは、原則すべての動植物の捕獲、採取が禁止となる。

事業計画には、高山植物の食害被害が懸念されるニホンジカなどの影響低減を図る「生態系維持回復計画」も盛り込む。さらに、国定公園化による知名度向上を生かして利活用の推進を図るため、山岳や景観、自然との触れ合いを楽しめるように宿舎や展望施設、避難小屋、歩道・車道の利用計画などが含まれる。

この日の中央環境審議会(会長・武内和彦地球環境戦略研究機関理事長)では、同省が諮問した公園区域を定める指定書案や公園計画書案を審議。委員からはニホンジカの他にも、「イノシシなどによる生態系への影響を懸念する」と指摘があり、同審議会では対策種としてイノシシやニホンザルを明記する方向で検討を加えることで了承した。

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