子どもに「多様な学びの場」を 茅野市

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茅野市は2020年度、学校教育にとらわれない「多様な学びの場」の創造に向けた取り組みを始める。小中学校で子どもたちが感じる「もう少し先を学びたい」や「できない」に寄り添い、各分野の専門家を講師に招いて個別またはグループで学ぶ機会の提供を目指す。公立の学習塾ではなく、子どもの興味・関心を引き出し、一人ひとりの良さや違いを大切にして「生き方」をつくっていく目的だ。市教育委員会によると、県内初の試みになるという。

同市の今井敦市長が昨年8月の総合教育会議で、子どもの個性と能力に応じた支援を念頭に「ギフテッド教育」を提案したのがきっかけ。一方、ギフテッド教育にはさまざまな定義があり、混乱を招く可能性もあることから、「多様な学びの場」と称して取り組むことにした。

20年度は、教育学や生徒指導学、医学、産業界などの専門家委員会(プラットホーム)を4月ごろ発足させ、学びの場の創造に向けた(1)人的な課題(2)運用方法、内容の検討(3)理念や理論、考え方の構築―の検討を進める。早ければ夏休みにも学びの場を実施したい考え。

市教委がこうした取り組みを始める背景には、学校現場における子どもの変化がある。異なる家庭環境や学力、発達段階の多様化が進んでいて、教室での一斉指導による学びに加え、一人ひとりの能力や特性に応じた学びが重要になってきたという。山田利幸教育長は「10年先を見据えて今から対応を始めなければいけない」と強調する。

山田教育長は「茅野市が一番大切にしてきた読書活動や図書館教育を根幹に据え、学力を保証する中で子どもたちの多様な学びを提供したい」とし、「子どもたちが自分の好きなものや興味を増やしていく。併せて伸ばせる能力は伸ばしていきたい」と話す。

多様な学びの柱には、文部科学省がキャリア教育実践に向けて提唱する「キャリア・パスポート」と、日本生徒指導学会と東京理科大の共同研究などを踏まえて「自分の生活を自分で作り上げていく力の育成」を掲げる。小中学生の希望者を対象に、公民館など小中学校以外の場も学びの場とし、新たな公教育の姿を模索していく方針だ。

市は20年度一般会計当初予算案に専門家委員会の会議費や研修費など238万円を計上し、21日開会の市議会3月定例会に提出する。

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