日本郷土菓子図譜が本に 武井武雄の記録画帳

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幻の図譜をよみがえらせた「懐かしいお菓子 武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう」

岡谷市出身の童画家武井武雄(1894~1983)の記録画帳「日本郷土菓子図譜」全3巻が、新潮社から「懐かしいお菓子 武井武雄の『日本郷土菓子図譜』を味わう」として出版された。全国各地の郷土菓子をまとめた記録画帳から、武井が水彩で描いた全169点の菓子の絵などを掲載。武井ファンだけでなく和菓子好きも楽しめる本になっている。

イルフ童画館(同市)によると、同館が所蔵する「日本郷土菓子図譜」は、武井が1936年から58年まで戦争で中断した時期も挟んで20年以上にわたり、全国から集めた郷土菓子を水彩で描き、説明書や商標などを貼り付けて記録した。武井の個人的な記録帳であり、和とじ本で展示が限定されることから、これまで人目に触れる機会はほとんどなかったという。

「懐かしいお菓子」には、図譜で扱っている全ての菓子の絵を載せた。ようかん、まんじゅう、煎餅といった菓子の質感がおいしそうに表現され、包装紙やラベルも本物そっくりに描かれている。店や菓子の歴史、時に手厳しい味の感想もつづった。諏訪地方では新鶴本店(下諏訪町)の塩ようかんを取り上げている。

執筆者は武井ファンで作家の伴田良輔さん、和菓子研究者で虎屋文庫の今村規子さん、同館の山岸吉郎館長、学芸員の河西見佳さん。巻末には、現在も製造販売している郷土菓子のリストが掲載されている。

山岸館長は「武井の絵の素晴らしさ、技術の高さがよくわかる。リアリズムで描いた武井の一面がわかる資料として、また菓子史料として、一級品の本になった」と話している。

128ページでフルカラー。1冊1800円(税別)。各書店で扱っている。同館は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休館中。

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