2020年5月22日付

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さして清潔好きでもなく、生来のものぐさで身辺を小ぎれいにしておくことのできない人間ではあるが、時節柄、手指が触れる箇所を小まめに拭くようになった。感染予防の手洗いとうがいは定期的にしないと落ち着かないほどだ▼外出が減った分、スマホを友にする時間が増えたように思う。手持ちぶさたになると、何とはなしに画面を眺めている。そこで思いがけず面白い映像を目にしたり、楽しい話題を見つけたりすると、誰かと共有したくなって「見て見て」と家人に手渡すことがある▼待てよ、手あかまみれのこのスマホ、他人に触らせてよいものだろうか。「実は携帯は細菌の温床だった!」と、脳研究者の池谷裕二さんが「できない脳ほど自信過剰」(朝日新聞出版)という著書の中で指摘している。日常手放せないものだけに注意が必要だと▼ほとんどの病原体は空中を舞わず、鼻汁や唾液の付いたものに直接触れることで感染する。この接触感染で最も注意すべきは「手」ということになるが、病原体に触れる機会の多い手でつい顔を触ってしまう。手に持つ携帯には当然、病原体が付着する率が高まる▼スマホに生息する細菌の量は便座の10倍以上との調査結果もあるという。無精者とはいえ、注意せねばと感じた次第。情報を伝え合うコミュニケーションツールを、病原体を伝え合うツールにしてはいけない。池谷さんの忠告が耳に痛い。

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